平成30年 年頭のご挨拶

代表取締役社長 河本 隆明
代表取締役社長 河本 隆明

旧年中は多大なるご支援、ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
本年は、当社グループの中期経営計画の2年目として具体化に取り組む年と位置づけグループの総力を挙げて企業価値の向上に努めて参ります。

明けましておめでとうございます。

昨年の日本経済は、緩やかな回復が続き、輸出関連の製造業がけん引役となり、国内企業の業績改善が鮮明となりました。東京オリンピック・パラリンピックや都市再開発に関連する事業も本格化し、本年も底堅い需要が期待されます。

世界経済は、米国を中心に個人消費や設備投資が堅調に推移し、緩やかな回復基調が継続しました。本年につきましてもこの傾向は続くと予想されますが、政治・経済的なリスクは緩和されつつあるものの、米国政権の動向や地政学的リスクなどの懸念材料は残ります。

鉄鋼業界におきましては、中国の過剰生産能力の削減に一定の進展があり、鋼材価格は上昇傾向にあります。中国、東南アジアをはじめ新興国を中心に、本年も旺盛な需要が予想され、国内におきましても建設用鋼材の需要の伸びが見込まれます。

当社の本年3月期の業績は、堅調な鋼材市況に支えられて上期は好調に推移しましたが、市況改善に伴う原材料コストの上昇などにより、下期からの損益環境は厳しくなると予想しています。

このような環境の中、当社では、創立90周年にあたる2025年に向けて、事業環境に左右されず安定的に収益を上げ、持続的に成長できる100年企業を目指して、昨年3月に新しく淀川製鋼グループ長期ビジョン「桜(SAKURA)100」を策定しました。

そしてビジョンを実現するための、「強靭な収益構造の確立」・「新しい事業領域への挑戦」・「強固な経営基盤の構築」を基軸とする、2017年度から3カ年の「淀川製鋼グループ中期経営計画2019」を策定しました。本年はその2年目にあたり、企業活動の根幹となる「安全・衛生の推進」に努めるとともに、以下の項目について重点的に取り組み、長期ビジョン実現に向けての礎を築いて参ります。

ガバナンスの強化
昨年は日本の製造業への信頼を揺るがしかねない品質問題が相次いで発覚しましたが、不正防止の強化にグループ全体で取り組みます。

生産性の追求
AIやIoTなどの先端情報技術なども活用しながら、開発・製造・販売・サービスなどあらゆる面から企業活動を見直して生産性を高め、競争力の強化に努めます。

新しいことへの挑戦
引き続き新規事業や新技術・新用途などの開発に取り組んで参ります。商品・サービスの改良・改善も含めて常に新しいことに挑戦し、進化を追求して参ります。

部門間・グループ会社間の協働・連携
当社グループでは、国内外の複数の事業拠点で様々な活動を行っていますが、部門間・グループ会社間のネットワークをより緊密にし、あらゆる面で相乗効果を発揮して参ります。

本年も、当社ならびに当社グループ共々、倍旧のご支援・ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
最後に皆様方のご繁栄とご多幸を祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。