施工例ユーロコプタージャパン
神戸空港格納庫
商品名ヨドルーフ140ハゼ
ヨドコウの技術力を証明した「3次元曲面屋根」
ヘリコプターメーカー世界最大手、ユーロコプター(仏)の日本法人「ユーロコプタージャパン」様。
平成24年4月、神戸空港に同グループのヘリコプター格納庫が完成しました。
特に目を引くのが、何層にも連なる大屋根部分の流線型フォルム。
その屋根に「ヨドルーフ140ハゼ」が採用されています。
美しい山形形状を実現した「ヨドルーフ140ハゼ」。
株式会社 大林組
大阪本店 建築事業部
建築設計部 副部長
伊藤 直幸(いとう なおゆき)様
一級建築士
「ユーロコプタージャパン 神戸空港格納庫」は神戸空港島内に建築された、日本初となるヘリコプター操縦士・整備士の訓練施設を併設した整備格納庫です。外観はヘリコプターの持つモノコック(※1)な形状をイメージし、六甲の山並みを背景に翼を休めるようなスカイラインを形成しています。
屋根・壁材は全てヨドコウ商品で、大屋根には「ヨドルーフ140ハゼ(インシュレーション工法)」を採用しました。これは大面積で使用した際に現れる山形ストライプ形状の端正な美しさに加えて、ラジアル加工など優れた加工性で複雑な意匠を再現できることを考慮してのことです。
(※1) 内部が空洞で単一構造で形成されている構造
折板を現場で一枚ずつ成型加工し、難易度の高い3次元曲面に対応。
大屋根は、建物フォルムを特徴づけるものとして、ムクリ(※2)のついた3次元曲面としてデザインしています。このため曲率の異なる折板を現場で一枚ずつ成型加工する一方、大屋根に採光・通風のハイサイド窓を設けるために二重・三重の止水性を確保するなど、難易度の高い納まりと施工でした。また「環境にやさしい格納庫」を基本姿勢として、他社製品ではありますが大屋根に太陽光パネルを設置しています。ハゼ折板は、ハゼつかみ金物を利用したパネル取り付けが容易で、3次元曲面に取りつける上での大きなメリットであったといえます。
完成した建物は、設計当初から持ち続けたコンセプトを実現し、遠くからでも視認性が高いフォルムが表現できたと思います。クライアントからは「これまでにない素晴らしい格納庫である」との賛辞をいただき、設計者冥利に尽きる作品となりました。
(※2) 上方に対して凸形に湾曲している状態
最良なご提案として導き出した「ヨドルーフ140ハゼ」。
株式会社淀川製鋼所
営業本部 営業二部
工事グループ 本社チーム 主任
山本 崇(やまもと たかし)
2010年8月頃、初めて打ち合わせに伺った際に見せていただいた、厚紙で作られた模型は今でも印象に残っています。3次元屋根や丸みのある形状など、意匠面に非常に深いこだわりを感じました。その際、以下3点のご要望をいただきました。①外装材全てを鋼板製にしたい。(特に、最上部にある3次元屋根には省エネを図れる断熱効果を持った鋼板製折板を使用したい。)②海岸に面した空港島という厳しい立地条件により、耐候性・耐食性・強度面・止水面で十分な処置を行いたい。③屋根・外壁とも仕上げ色は全てホワイトにしたい。
コストを抑えながらも、複雑な屋根形状を再現できるよう幾度も検討を重ね、加工性とコスト面の両方を兼ね備えた「ヨドルーフ140ハゼ(インシュレーション工法)」をご提案しました。
成型技術レベルの高さを証明。
施工の際には、事前にCAD上で綿密なシミュレーションを行い、鉄骨母屋ごとのタイトフレームの割付け寸法を算出しました。屋根材についても、あらかじめ同様の手段を用いて一枚ごとの折板の長さを算出しました。
屋根材の成型は現地で行い、実物の建物を目の前にしながら各部材の加工や施工の微調整を繰り返し行いました。その結果、屋根材を一枚も無駄にすること無く施工ができ、当社の成型技術レベルの高さを改めて証明できたように思います。
今後も金属製外装材の可能性にチャレンジしていきたい。
今回の物件は、全ての部分において非常に高いレベルでの対応が必要でした。折板で今回のような形状の屋根を再現するのは難しいとされていたので、建物が完成した際の感動は非常に大きいものでした。
今後も難易度が高くシンボリックな作品にチャレンジし、金属製外装材の可能性をより一層広げて参りたいと思います。
*所属・役職等は取材当時のものです。
ユーロコプタージャパン 神戸空港格納庫
所在地 | 神戸市中央区神戸空港8番8 |
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建築面積 | 約5,570平方メートル |
施主 | 空港施設株式会社様 |
運営者 | ユーロコプタージャパン株式会社様 |
設計・施工 | 株式会社大林組様 |
工期 | 平成23年3月~11月 |
仕様 |
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