施工例JR大阪駅 大屋根工事

JR大阪駅 大屋根工事

商品名ヨドルーフ200

歴史的プロジェクトを支えた強い団結力と高度な技術。

関西経済活性化の拠点として期待される大阪駅北エリアの再開発。
なかでも重要な役割を担うのが大阪駅開発プロジェクトの一つ、JR大阪駅リニューアル工事と、その象徴とも言うべき大屋根工事です。
5月4日グランドオープンしたノースゲートビルディングには、初日だけで50万人が訪れ、ダイナミックな大屋根にも熱い視線が注がれました。
この大屋根に採用されたのが「ヨドルーフ200」。
ホームをはさんだ南側と北側をつなぐように架けられた大屋根は全長約100m、東西の幅は約180mにもおよびます。
屋根の総重量(トラス部分等を含む)は約3500トン。
その巨大な建造物を、1日1500本以上の列車が行き交うホーム頭上に建築するという、過去に類を見ない難易度の高い工事をいかにして成功へと導いたのか。歴史的プロジェクトを、施主、施工、当社設計・施工管理それぞれの立場から語っていただきました。

技術提案・施工管理におけるヨドコウさんの品質の高さを実感したプロジェクトです。

西日本旅客鉄道株式会社 大阪工事事務所 大阪駅改良工事所 助役 端山 賢一(はやま けんいち)様

西日本旅客鉄道株式会社
大阪工事事務所
大阪駅改良工事所 助役
端山 賢一(はやま けんいち)様

大阪駅北地区開発の機運が高まる中、JR西日本としても大阪駅の改良を含めてどのように開発をすべきか検討していました。大阪のシンボルとなる世界に自慢できる駅をつくりたい、という思いから、ホーム上空をすっぽり覆う、この大屋根のプロジェクトが始まりました。

着工から数えると丸7年。毎日1500本以上の列車が行き交い、約85万人のお客様が乗降される駅の頭上で作業を行うという、かつてない難工事を克服し、本当に素晴らしいものが完成したと感慨無量です。

新しいJR大阪駅は、プロジェクトのキャッチフレーズでも謳っているように「街」がコンセプト。駅と商業施設が融合して街となり、暮らしに関わる様々な情報を発信していこうというのがテーマです。なかでも特徴的なのが、広場やくつろぎの空間が充実していること。開放的で明るい日差しが降りそそぐトップライトのある大屋根は重要な役割を果たしています。

大屋根は、建設中の橋上駅舎屋上階を利用して施工されました。その狭小なスペースで、安全に昼夜施工を進めるため取り決めた、施工や安全に関するルールは非常に厳しいものでした。そのような厳しい作業条件の中、ルールを厳守して安全に作業を進めていただきました。また、施工の各段階で品質チェックも幾度となく行ないましたが、ヨドコウさんはこちらが求める以上の高い品質を提供してくれました。製品の素晴らしさはもちろんですが、ヨドコウさんは技術提案・施工管理でも非常に優秀であることを実感させてくれました。何より無事故でこの巨大プロジェクトを成功へ導いてくれたことに心から感謝しています。

難易度の高い工法を実現できたヨドルーフ。施工性の良さを実感しました。

大阪駅統轄工事事務所 駅改良工事担当所長 竹中 秀文(たけなか ひでふみ)様

大阪駅統轄工事事務所
駅改良工事担当所長
竹中 秀文(たけなか ひでふみ)様

JR大阪駅の大屋根工事は、ホーム頭上にある橋上駅部分で屋根材を成型しクレーンで持ち上げ上空で組み上げる作業を行い、完成した屋根を東西7回に分け、11mずつスライドさせながら180mまで拡げるという非常に難易度の高い工事でした。

日々の作業工程を、建築JVそしてヨドコウさんはじめ協力会社が綿密に打合せを行い、24時間体制で工事を進め、そして完成に至りました。今回採用したヨドルーフは、この難易度の高い工法を可能にした非常に施工性の良い商品でした。

また、担当者の方にはスケジュール管理や現場スタッフの統率などにリーダーシップを発揮していただきました。

今回の工事では、JR西日本様、私共建築JVそしてヨドコウさんはじめ協力会社が、三位一体となり施工管理を行ったことにより成し遂げた工事と考えています。

仕上げた屋根を左右にスライドさせ、大屋根を広げる
仕上げた屋根を左右にスライドさせ、大屋根を広げる

丹念な手作業によって生み出された美しい曲線にヨドコウの技術が凝縮。

株式会社淀川製鋼所 営業本部営業二部 工事グループ 本社チーム 武岡 弘勝(たけおか ひろかつ)/清水 雅廣(しみず まさひろ)

株式会社淀川製鋼所
営業本部営業二部
工事グループ 本社チーム
武岡 弘勝(たけおか ひろかつ)/清水 雅廣(しみず まさひろ)

今回のプロジェクトは難易度が高く、大規模な工事であったため、施工までに2年間もの準備期間を要しました。この間、モックアップ(実物大模型)を製作し、想定風雨を再現した止水テストや狭小現場をイメージした成型テストなどを何度も繰り返し行い、充分に検証した上で施工に臨んだのです。

なかでも苦労したのは大屋根の特長でもある曲線部分です。屋根の上端部分は山なりの曲線を描く「正曲げ」、下端部分は弓なりの曲線を描く「逆曲げ」に成型しているのですが、正確な曲線を描くことにかなり苦労しました。最終的には現場に成型機を持ち込み、1本1本を手作業で行うという方法が採用されました。

これまでの常識では、折板屋根は「正曲げ」しかできないと思われていましたが、「逆曲げ」も可能であることを実証できました。折板屋根の新たな可能性に業界では注目が高まっており、今後も、大型で且つ曲線を採り入れた意匠性の高い物件にヨドルーフを提案してまいります。

*所属・役職等は取材当時のものです。

ヨドルーフ200(止水テストを実施したモックアップ)
ヨドルーフ200(止水テストを実施したモックアップ)
  • JR大阪駅 大屋根工事(1)
  • JR大阪駅 大屋根工事(2)
  • JR大阪駅 大屋根工事(3)
  • JR大阪駅 大屋根工事(4)

大阪駅改良他工事

所在地 大阪市北区梅田三丁目125-2他
施主 西日本旅客鉄道株式会社
設計 西日本旅客鉄道株式会社、ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社
施工 大林組・大鉄工業・竹中工務店・錢高組・淺沼組・奥村組JV
仕様
  • ヨドルーフ200 (原板/ヨドフロンGL、板厚/0.8mm、カラー/スターシルバー、施工面積/15,500m2)
  • トップライト(施工面積/2,500m2)
工期 平成21年10月~平成22年9月