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断熱材参考資料
風圧計算


■はじめに
平成12年6月に建築基準法が改正され、これに伴い風圧力の計算方法が大幅に変更されました。ここでは、風圧力の計算方法および計算を行うのに必要な物件に関する情報(条件)について解説いたします。
■風圧力計算に必要な情報
屋根の風圧力の計算を行うにあたって以下の8つの条件(帳壁の場合は下線を引いた6つの条件)を用意する必要があります。
■建物の高さ
「条件:屋根の平均高さは何メートルか?」
建物の最高部の高さと軒部の高さの平均値を屋根の平均高さと呼び、計算で使用します。
■平面の短辺長さ
「条件:平面の短辺方向の長さは何メートルか?」
高い風圧力が作用する部位(局部)の範囲を決定するために使用する。
■屋根の形状
「条件:屋根の形状はどのタイプか?」
屋根の形状が異なると高い風圧力が作用する部位も異なります。基準法では建物の屋根がどのタイプに属するかを選択しなければなりません。屋根のタイプは5つに分類されています。
■建築地域・地形
「条件:建築が何県何市に建つか?」
台風の来襲ひん度や季節風の発生ひん度は地域により大きく異なります。
改正後の基準法では、設地がどの地域なのかを計算に反映します。

「条件:地表面粗度はどのレベルか?」
 建設地の地形や周辺環境も建物へ吹く風の強さに大きな影響を及ぼすため、このような環境の違いを「地表面粗度」という指標で表現し、建物の建設地がI〜IVのどの粗度に該当するのかを選択しなければなりません。

地表面粗度 I
海上のようなほとんど障害物の無い平坦地。
(例)海岸地帯、海上

地表面粗度 II
田園地帯や草原のような、農作物程度障害物がある平坦地。
(例)田園地帯、沿岸地帯、飛行場

地表面粗度 III
樹木・低層建築物が密集、
もしくは、中層建築物が散在する地域。
(例)森林地帯、工場地帯、都市周辺の住宅地


地表面粗度 IV
中・高層建築物が主となる市街地。
(例)中高層市街地、中小都市

(日本建築学会建築物荷重指針、1993)
■風圧力の算出式
必要な条件が揃うと、下記の式を用いて建物の外装材に作用する風圧力W を計算することが出来ます。(建築基準法告示1454 号及び1458 号をご参照下さい)

を表しています。それぞれの係数は用意された条件より決定することができます。
■計算式、係数、計算条件の関係
計算式、係数、計算条件は下記の関数で表すことができます。
■基準風速
建設地の地域性が反映される「基準風速」は強風地域では大きな値となり、作用する風圧力の値も大きくなります。右図に全国の基準風速分布の例を示しています。
■ピーク風力係数
ピーク風力係数は建物の形状およびその部分によって決まる係数です。この係数により、屋根・壁に作用する風圧力分布は最大4 段階(一般部、周辺部、隅部、棟隅部)に分かれます。
下図に係数(=風圧力)の分布例を示しています。
■ご注意並びにお願い
このホームページに記載している事項及びデータは、弊社の各種試験結果と技術的見解に基づいて作成されたものです。そのため、記載範囲外(材質、板厚、強度)でのご使用についてはご相談下さい。使用上の安全性については事前にご配慮頂きますようお願い致します。
また、下記の点には特にご注意下さい。
1.折板屋根の積雪荷重に関する強度検討は、梁間中央部および梁上支持部の両方の検討をお願い致します。
2.折板屋根の軒出(片持ち梁)に関する強度検討については、断面構造の特性から不確定要素が多く、理論上の強度と実際の強度との間に隔たりがあります。そのため、山高の5 倍以上の軒出を検討される場合にはお問い合わせ下さい。
3.金属屋根は温度変化による熱伸縮が原因となって音鳴りを起こすことがあります。そのため、建物の用途および製品仕様の選択には十分ご注意下さい。