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断熱材参考資料
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大規模な建築物から改修まで、金属屋根材の可能性を拡げてきたヨドコウ。
二重葺折板で懸念されていた音鳴りを低減する仕様についてご紹介します。


施 工 例 施工中の音鳴り低減仕様

 

 二重葺折板の普及に伴い音鳴りの問題が浮上

金属製※1折板は高機能で経済性に優れた屋根材です。従来は工場や倉庫で一重葺折板として使用されるのが大半でしたが、近年は内部に断熱材をはさんだ二重葺折板が普及し、事務所・校舎・ホールなどの建築物にも採用されるケースが増えてきました。
この二重葺折板は断熱性、水密性、防音性などに優れていますが、使用条件によっては温度変化による熱伸縮が原因となって音鳴り現象で問題を起こす場合があります。そのためヨドコウは二重葺折板の音鳴りの原因と、発生メカニズムを解明し、音鳴りを低減する新しい仕様に着手しました。

※1 折板…鋼板(平板)を成形加工したもので、主に屋根材に用いられる。

 折板の音鳴りの原因は?

金属製折板は、日射や気温の変動に伴って、表面温度が変化します。鋼板の仕様や色によって異なりますが、夏季の直射日光では最高で約80℃まで上昇することもあります。その上、折板は山型形状のため、日射の角度によって、表面温度は不均一に変動しているのです。 この表面温度の変化に伴い、折板はそれぞれの場所で伸び縮みしようとしますが、しっかりと金具で拘束されているため自由に伸縮できません。こうした熱による伸縮が原因となって、内部でさまざまな現象が発生すると考えられます。

 発生メカニズムを解明

これまでの調査から、音鳴り現象は大別して3種類に分けることができました。その原因を解明するために社内で再現テストを実施した結果、図3のような音鳴り部位とその発生メカニズムが確認されました。


部位 音の傾向 発生メカニズム
ハゼ・吊子 摩擦音
「ギシギシ」「カチカチ」
大ハゼと小ハゼまたは吊子とハゼがずれる
衝撃音
「ドーン」「ガーン」
上折板の伸びにより、ハゼと吊子がずれる


部位 音の傾向 発生メカニズム
ドブ底・斜辺 バックリング音
「ボコボコ」「ベコベコ」
(流し台にお湯を流した時に
発生する音と同じ)
内部に発生した力がドブ底・斜辺に集中

 音鳴り低減仕様のポイント

金属は特性として熱伸縮を起こします。この熱伸縮による金属相互の摩擦の軽減と、金属の動きを自由にすることが有効な音鳴り低減対策と考えました。そして開発されたのが、「音鳴り低減仕様」です。(図4)そのポイントは

@摩擦の発生する大ハゼと小ハゼの間に特殊な緩衝材を貼り、摩擦音の低減を図る。

Aスライド式の可動金具で折板を自由に伸縮させることにより、衝撃音の低減とバックリング音の抑制を図る。

Bさらに防振ゴムで室内への音の伝達を低減する。

この仕様により再現試験を実施した結果、標準仕様との比較で、特に60デシベル以上の音鳴り発生回数が極端に減少することが確認されました。(図5)




この仕様により今後は作業室や事務所、店舗など、静けさが求められる建築物の屋根にも対応可能です。音鳴り低減仕様は、大きな音の発生防止には効果的です。さらに、静けさが必要な場合は天井に吸音材を設けるなどで用途が広がります。今後も市場に即した商品仕様で活躍の場が拡大するヨドコウの屋根材にご注目ください。